
サン・ジョルディの日
4月23日は、サン・ジョルディの日です。男性は女性に花を、女性は男性に本を贈ります。
スペインのカタルーニャ地方発祥で、守護聖人のドラゴン退治伝説に由来するお祭りです。
サン・ジョルディの日に、カップルや親子で花や本をプレゼントしてみませんか?
花束と本を贈り合うイベントです
「サン・ジョルディの日」と聞いて、ピンと来る方はどれだけいらっしゃるでしょうか?
「そういえば、本屋さんでキャンペーンを見かけたことがあるような.....」と思い当たる方もいらっしゃるかもしれませんね。
イベントの内容はとっても素敵なんですよ。美と教養、愛と知性を表す「花束」と「本」を贈るイベントで、いわばスペイン版のバレンタインです。
サン・ジョルディの日は4月23日。スペインの守護聖人「サン・ジョルディ(Sant Jordi) 」に由来します。
本来は、男性は女性に赤い薔薇を、女性は男性に本を贈ります。近年では、カップルに限らず、親子や友人の間でも贈られるようになりました。
文化的な風習です
本場スペインでは、カップルはもちろん、親子、職場の先輩や友人などが花や本を交わし合う伝統の日です。
カタルーニャ(カタロニア)地方では、花や本の市が開催され、とても賑やかな祝日となります。
特に州都バルセロナでは、街の至るところで花と本の市が作られ、街全体がこのお祭り一色に染まります。
作家によるサイン会も行なわれて、非常に活気のある一日になります。文化的な風習なんですね。
スペイン内でも色々な風習のやり方があるようです。たとえばある地方では、「本の日」というそうですが、子ども主体のイベントなのでしょうか、幼稚園に移動式の本屋さんが来たりするそうです。
日本ではあまり浸透していません
書店協会が根付かせようと頑張っているのですが、知名度はまだまだ。「もう一息」のイベントです。
このイベントが、日本であまり浸透していない理由として、国内ではサン・ジョルディの伝説・由来があまり知られていない事が、まず第一に挙げられますが、贈るものが「花束」と「本」だから、という事も関係しているかもしれません。本は好みが分かれますから、選ぶのに苦労しますよね。
また、バレンタインやクリスマスとは異なり、「食べ物」が関連していないことも影響していると思います。
ハロウィーンのように皆で楽しく騒いで盛り上がるイベントではないことなどは、これまでマスメディアがあまり積極的な宣伝を行ってこなかった要因として考えられるでしょう。
由来になったドラゴン伝説とは?
サン・ジョルディの日は、あるドラゴン退治の伝説に由来します。
どんなお話なのか、かいつまんでご紹介しましょう。

聖人サン・ジョルディ
「サン・ジョルディ」は、キリスト教の聖人で、この読み方はスペイン東部の方言「カタルーニャ(カタロニア)語」のものです。 英語では「セント・ジョージ」となります。
スペインの他、イギリス、ポルトガル、ギリシャなど、ヨーロッパ諸国でも同じく守護聖人として親しまれています。
ドラゴン退治伝説のあらまし
この伝説は、サン・ジョルディがカタルーニャ国に立ち寄ったことから始まります。
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ドラゴンの怒りを鎮めるために・・・
当時、カタルーニャには、恐ろしいドラゴンがいました。ドラゴンは怒り狂っており、その怒りを鎮めるために、カタルーニャの人々は生け贄を差し出さなければいけませんでした。
初めは羊を差し出していたのですが、そのうちに羊が少なくなり、若者を一人ずつ捧げなければならなくなりました。
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王様の娘までが…
そしてある日、とうとう王様の娘まで差し出すことになりました。
王様は悲嘆にくれましたが、自分の娘だけ生け贄から逃すわけにはいかず、悲しみのうちに娘を湖に連れて行きました。
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たまたまそこを通りがかったのがサン・ジョルディです。
聖人はドラゴン退治を請負い、王女にその場を離れるように言いました。
しかし、ドラゴンは非常に獰猛で、なかなか決着がつきません。
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ドラゴン退治に成功!
そこでサン・ジョルディは、王女に腰帯をドラゴンに投げるように言いました。命中するとドラゴンは大人しくなりました。
そしてそのまま街中へ引きずり込み、最期の一撃を与え、ついにドラゴン退治に成功したのでした。
ドラゴンの心臓からは真っ赤な血が流れ、そこからは見たこともないほど美しい赤い薔薇が咲いたそうです。
そしてその薔薇の中でもひときわ美しいものを選び、サン・ジョルディは「永遠の愛」として王女に贈りました。
後にこれが伝説となり、「サン・ジョルディの日」として受け継がれることになりました。
女性から男性に本が贈られる理由
男性が女性に赤い薔薇を贈る理由は、ドラゴン伝説が元になっています。それでは、なぜ女性は男性に本を贈るのでしょう?
実は、本を贈る風習は、ここ50年ほどの間にできた比較的新しいならわしです。
4月23日は、「ドン・キホーテ」を書いたスペインの作家「ミゲル・セルバンテス」の命日と、「ロミオとジュリエット」を書いた「ウィリアム・シェークスピア」の誕生日であり命日でした。
そこで文学と結び付きが強い日ということで、女性は本を贈るようになったそうです。

親しい人を想うサン・ジョルディの日
書籍類については、本を選ぶ際、相手の好みを考えるきっかけになります。
また、普段は読まないジャンルだからこそ贈ってもらうと、新しい発見があり楽しいものです。
まだ幼いお子さんがいる家庭ならば、本に親しむチャンスとして、お子さんに新しい絵本をプレゼントするのも良いですよ。
サン・ジョルディの日 に、「親しい人」を想いつつ本屋さんへ足を運んでみませんか?
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By Happie (Updated )