ページメイン画像

盆飾り(盆棚の飾り方)

盆棚、精霊棚に関する盆飾りの用品には、それぞれいわれや飾り方がありますが、何よりも心を込めて準備をする事が大切です。

各種の飾り物は、通販や仏具専門店、草市等で入手出来ます。

宗派や地域により、しきたりが異なる事があるので留意しましょう。

お盆には色々な飾り物を用意します

祖先や精霊をお迎えするためのお盆飾り。古来よりのならわしにのっとって準備するならば、盆棚を設置し、様々な飾り物を用意することとなります。

少し面倒かもしれませんが、年に一回の事です。ご先祖様に思いを馳せながら、楽しく優しい気持ちで準備してまいりましょう。

前もって揃えておくべき代表的な飾り物としては、次のようなアイテムがあります。

真菰筵、真菰牛馬(精霊馬)、ほおずき、蓮の葉、ミソハギ、閼伽水、土器、おがら、素麺、果物、盆花、提灯など。

沢山の種類がありますね。でもいずれも手頃な価格からありますし、また一度取り揃えておくと、来年以降も使用出来る飾り物もあります。費用的な負担はそれほど感じないのではないでしょうか。

では以下、用意すべき主要な飾り物について、簡単にご紹介しましょう。

スポンサーリンク

真菰筵(まこもむしろ)、壇布

盆棚の敷物として使います。いわゆるムシロ。ゴザのようなものです。

真菰(まこも)は、イネ科の植物で薬効成分を含んでいます。お釈迦様が、真菰で編んだ敷物の上に、病人を寝かせて治療したという言い伝えがあります。

なお白布・壇布を使用する場合も多くあります。


(amazon.co.jp)

真菰牛馬(精霊馬)

ご先祖様が、「あの世」と「この世」の行き帰りに使います。真菰(まこも)製のフィギュアです。

家に帰って来られる時は、早く着くように「馬」に乗ります。
お帰りは出来るだけゆっくりしてもらいたいことから「牛」に乗ってもらいます。

真菰牛馬

真菰牛馬ではなく、野菜(ナスとキュウリ)を使って作る事も多数あります。
この場合、精霊馬(しょうりょううま)と言います。

その形状から、ナスは牛、キュウリは馬に見立てて作ります。パーツの接続や脚部分に爪楊枝、おがらが使われます。

精霊馬は簡単に作れますので、お子さんと一緒に作ると良いですね。

精霊馬イラスト

ほおずき(鬼灯)

形と色から、提灯に見立てられます。漢字では「鬼灯」です。字が雰囲気を表していますね。

ご先祖様が迷わずに帰って来られるように、盆棚に飾ります。ほおずきは色が鮮やかなので、盆棚が明るくなります。

ほおずき

蓮(はす)の葉

仏教では特別な意味を持つ植物「蓮」の葉です。極楽に咲いている花とされ、最も高貴な植物とされているそうです。

お釈迦様が鎮座していらっしゃる様子が、様々な絵や仏像で描かれていますね。

お盆では、蓮の葉を供物を捧げる「器」として使うことがあります。

蓮

ミソハギ(禊萩)

日本各地の野山、湿地、田んぼの畔などに自生する多年草。割と濃い色合いの綺麗な花です。

禊萩の「禊」は、悪霊を祓って穢れを落とす行為を意味しますが、お盆の頃に丁度ミソハギの花が咲く時期という事もあり、盆花として使われるようになりました。喉の渇きを抑える効果もあると言われ、餓鬼霊を慰めるためとも言われています。


(amazon.co.jp)

閼伽水(あかみず)

穢れの無い清らかな水とされており、墓前や祭壇・仏壇等にお供えをする際に使われます。

家庭で用意する場合、器ないしは蓮(もしくは蓮を敷いた器)に綺麗な水を少し入れ、ミソハギの花束(5~6本程度)を上から置きます。

水と花

かわらけ

素焼きの陶器(杯・小皿)で多くは乳白色の無地。神事にも使われます。

この小皿で、ご先祖様の食事を盛ります。一人一人に用意しましょう。

皿イラスト

おがら(麻幹、苧殻)

皮をはいだ麻の茎です。迎え火・送り火を焚く時や、精霊馬を作る時に使います。


(amazon.co.jp)

素麺、盆花

季節柄、素麺が美味しい時期ですが、食べるためではありません。装飾品として使用します。

花

お盆にお供える花を盆花(ぼんばな)と言います。前述のミソハギの他、オミナエシ、ヤマユリ、ナデシコなど様々な花が使われます。

昔は「花迎え」という、山に盆花を取りに行く行事もありました。ご先祖様たちは、花に乗って帰ってこられると考えられていたのだそうです。そう考えると、盆花も丁寧に用意したいものですよね。

スポンサーリンク

盆棚の飾りつけをしましょう

あらかじめ取り揃えたお盆用品を使って盆棚の飾りつけをします。

盆棚は、「精霊棚」とも言います。帰ってこられれるご先祖様をもてなすための大切な造作です。

飾り方のしきたりについては、「宗派、地域」、「初盆」、「本格的にするか、簡易にするか」等々の諸条件により異なりますが、堅苦しく考えたり、厳格に形式にこだわる必要は無いと思います。それよりもまずは、穏やかな気持ちで心を込めて用意することが大切でしょう。

よく分からなくて心配な場合は、地域・親族の年長者の方やお寺さんに相談すると良いでしょう。

下記は、「お盆用の祭壇」を使用した盆飾りです。

精霊棚

祭壇(盆棚)は三段になっており、真菰筵ではなく白布を敷いています。

位牌は最上段の中央に配し、線香(香炉)は下段もしくは別に用意した机の真ん中に置きます。全体的に左右バランス良く飾りつけを行うのが一般的です。

このように、ごく素朴な飾り方のお供え方法もあります。

精霊棚

他にも、低いテーブルや机に真菰筵を敷いて用意したり、仏壇を飾り付けるなど、様々なやり方が見られます。

では以下、それぞれのアイテムの「一般的な飾り方」について見ていきましょう。

水の実(水の子)

位牌の前に、蓮の葉(あるいは器)に盛った「水の実」をお供えします。

水の実(水の子とも言います)とは、洗った米、閼伽水、細かく賽の目に刻んだナスとキュウリを混ぜ合わせたもので、簡単に作れます。

盂蘭盆経に由来するもので、餓鬼道に堕ちて飢えと渇きで苦しんでいる人の喉に通りやすく、水分補給にもなると言った意味合いが込められているそうです。

水の実イラスト

食べ物、果物のお供え

水の実の隣あたりに、故人が好きだったものや、迎え団子、季節の果物をお供えします。

団子と果物

真菰牛馬(もしくは精霊馬)を並べる

真菰牛馬もしくは精霊馬を並べます。

地域によっては、盆棚ではなく「迎え馬」として、玄関に並べる場合もあります。

祭壇イラスト

ほおずき、盆花を飾る

祭壇(盆棚)の四隅(もしくは二隅)に青竹を立てて草縄を張る場合、提灯に見立てたほおずきを吊るします。

青竹を立てない場合は、蓮の葉の上に置くなどして並べます。

盆花は、彩りやボリュームに気を配ります。花の種類や数が多いと華やかさが増します。

お盆

素麺を並べる

素麺は、ご先祖様が手土産を持ち帰る際の「荷造り用の紐」に見立てています。
蓮もしくは器の上に数束並べます。

そうめん

盆提灯を飾る

お盆期間中は、基本的には昼夜問わず、ずっと盆提灯に明かりを灯しておきます。

初盆(新盆)の場合は、絵柄が入っていない白い提灯を使いましょう。

ちょうちんイラスト

お盆用品の入手について

本ページでご紹介したお盆用品の中には、普段見慣れないもの、聞き慣れないものが結構あって、ちゃんと手に入るか心配される方もいるかもしれません。

でもご安心を。盆棚・祭壇から蓮の葉、真菰、おがら、提灯に至るまで、殆どのアイテムをネット通販で揃えられます。

また、実店舗の仏具専門店を利用したり、お寺さんに相談してみるのも良いでしょう。

準備のために草市へ

草市は、お盆の前に期間限定で開催される、主にお盆(盂蘭盆)用品全般を販売する市です。

商店街の通りなどで露店・屋台形式で行われるのが一般的。だいたいのものが一通り揃うので便利でしょう。

ちなみに、草市の「草」は、植物の草ではありません。名前だけ聞くと、園芸用品や花屋さんが出店していそうなイメージがありますが、この草は、「種々(くさぐさ)」の意味で、色々なものがあるという意味なのです。

最近では、金魚すくいやヨーヨー釣り、かき氷や綿菓子の販売などが行われる草市もあるので、さながらお祭りの屋台を楽しむような感覚を味わえるかもしれません。

元々、草市を行う風習が無い地域が結構あるようですが、もし、お近くで草市が開催されるのならば、その際はお盆の準備を兼ねて、お子さんと散策に出掛けてみてはいかがでしょう。

スポンサーリンク

このコンテンツに関連するページ

*本ページの概要・情報は変更される事があります。

By Happie (Updated )

ページの先頭へ